「30分ルール」「60分ルール」~GW中こそより迅速に!~

町田です。
GW後半の5連休が始まりました。連休初日はまだ救急外来は忙しいとはいえまだまだ本格的な混雑は迎えていません。連休2日目になるとけがが、3日目になると体調不良が増えてきます。
連休を過ごしている皆様はけがや体調管理に気を付けてよい休日をお過ごしください。仕事をされている方は救命センターのスタッフもがんばりますので一緒に乗り切りましょう!


群馬県はドクターヘリでほぼ全域を20分以内で上空にたどり着くことができます。もし119番の入電(消防覚知)からドクターヘリ要請が迅速に行われれば、多くの事案で消防覚知からドクターヘリ医療スタッフによる患者への医療介入(初療開始)が「30分以内」に開始することが可能です。
また現場でやるべき必要なことを行いつつも最終的な治療を行う病院に到着するまで(決定的治療開始)の時間も消防覚知から「60分以内」を到達できるはずです。

 これらをそれぞれ「30分ルール」「60分ルール」と名づけて、消防と基地病院で共通の目標として今まで取り組んでいましたが、なかなか目標の達成率には到達していませんでした。
また昨年度のドクターヘリ平均活動時間(Total Pre-Hospital Time:消防覚知~病院到着)も60分を超えてしまいました。

上の表を見てわかるとおり消防覚知~ヘリ要請までの時間が遅くなってしまっています。当然のことながら現場滞在時間ももっと短くしていかなくてはいけないため、通信指令課員、救急隊、ヘリ医療スタッフの判断力、対応力、そして決断力をさらに磨いていかなくてはいけません。


ということでこの結果を県内の各消防および基地病院スタッフで共有し、迅速な対応を拒む要素についてお互い情報交換を行い、消防と基地病院が組織の違いを超えてよりシームレスな考え方をもって取り組む必要があることを気が付く人は気がついて来てくれたようです。
目に見える結果として、消防の覚知要請が4月前半が59%しかなかったのが、情報共有後の4月後半には72%まで上昇しました。さらにGW期間中(4/29~5/3)においては77%と覚知要請率の目標である80%に近づいてきています。

GW中はさらにドクターヘリのニーズが高まる可能性があります。特に山間部での事案の場合は時間が特に大切になります。また早期要請により重複要請に対する次の手段の調整もより速く行うことができます。
GW中に大きな事故などが発生しないことを願いつつ、いざとなればより迅速に対応し1人でも多くの方の救命、社会復帰に貢献したいと思います。

防災ヘリは朝から福島県の林野火災に応援出動に行きました。
GWのさわやかな青空のもと・・・

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