「信州ドクターヘリ事後検証会議」に参加しました。

長野県消防防災ヘリの墜落事故のニュースが飛び込んできました。
群馬県ドクターヘリも今まで数回ですが協働したり、また群馬に何度も応援に来てくれたこともあり、それだけに本当に悲しい気持ちでいっぱいです。
亡くなられた隊員の皆様のお悔やみ申し上げるとともに、まだ残されている隊員の皆様の無事をただただ祈るのみです。

このタイミングでブログをアップするのをとても迷いましたが、我々には皆様に救急医療をもっと知っていただき少しでも皆様の心身がより安心・安全に過ごしていただくように活動する使命があります。ちょうど「長野県ともっと連携して県境を超えた命のリレーができるように」と話をしてきたばかりでした。だからこそ今回もブログを書かせていただきます。


2月27日に佐久総合病院佐久医療センターで開催された「第136回信州ドクターヘリ事後検証会議」に参加してきました。
軽井沢(長野県)付近から見た浅間山
噴煙が上がっています・・・
この翌日に群馬県ドクターヘリ症例検討会があり、この中で長野県との県境付近で起こった交通事故に対して「長野県との連携があればもっとスムーズに様々な対応の判断ができる事案」があったため、基地病院同士のレベルからさらに県を巻き込んだ形での連携強化が達成できるように、現場レベルからの実情とそれに絡めて災害時のドクターヘリ運用に関してお話しする時間を頂きました。


 群馬県と長野県の県境である碓氷峠はカーブや勾配がきつく、今まで何度も大きな事故が起こっています。高速道路の事故では単独事故でも重症多数傷病者が発生します。
群馬県と長野県のドクターヘリは正式な広域連携を結んでいませんが、平時であれば基地病院間の連携でお互いの運航要領に乗っ取って両県のヘリが同事案に出動することが可能です。しかし災害時になると急に「県から県への依頼が必要」などのひと手間が増え、大事故災害になると急に隣県への情報共有が遅れてしまっています。

特にドクターヘリなどは「災害宣言」がされる前に第一報で出動することがあり、その時点から複数のヘリを同時に呼べる体制になっていれば、災害モードに入った時点ですでに現場で複数の医療チームにより対応が開始することができます。

いろいろな課題や問題があるようですが、まずは碓氷峠などの県境事案の対応から正式な広域連携を始めてもらえるように現場から声をあげていきたいと思います。


群馬県はいつも長野県に助けていただいたばかりですが、今回の防災ヘリ事故の影響のほんのわずかでも直接的ではないにしろお手伝いすることがあれば積極的に手を差し伸べていきたいと思います。

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