【熊本地震活動報告②】日赤初動救護班(DMAT)(ドクターヘリに関わる活動)

ゴールデンウィークに入り3日目ですが、交通事故やスポーツ外傷などけがが増えています。初日はあまりの強風で午後からドクターヘリが運休になってしまいましたが、それでも3日間でドクターヘリ要請が18件になっています。楽しい休暇になるように、一人一人が事故やけがに十分注意してお過ごしください。


先日小倉医師より【熊本地震活動報告①】として熊本赤十字病院医療スタッフ支援について報告させていただいました。 ⇒ http://drheli-gunma.blogspot.jp/2016/04/blog-post_28.html
今回は4月16日の2度目の大きな揺れ直後から初動救護班(DMAT)として活動した2チームの報告です。


<日本赤十字社群馬県支部第1救護班(初動救護班:DMAT)>

・活動期間:2016年4月16日(土)~4月19日(火)
・活動場所:厚生労働省DMAT事務局(国立病院機構災害医療センター内)
・活動隊:町田医師(班長)、高寺看護師長、内林主事

・活動報告(町田班長より)
我々は16日の大きな揺れの後の被災状況からドクターヘリ参集により活動の可能性を考え、すぐに厚生労働省DMAT事務局と連絡を取り、そのままDMAT事務局でドクターヘリ統括本部として活動することとなりました。

広域災害時のドクターヘリ活動に関しては、東日本大震災以降さらにその運用方法について議論がされてきたところで、実際の大規模訓練などでショミュレーションを繰り返していましたが、まだその考え方が全国に広がっている前段階であったため当院DMAT第2班および日本医大千葉北総病院DMATチームにも現地に入っていただき、ドクターヘリ活動の調整を担っていただきました。しかしこれらのチームが現地に入る前に九州のDMATの先生方がすでにドクターヘリを参集して活動できるようにいろいろ手配をしていただいたことが本当にありがたかった限りです。
 
統括本部のミッションは、被災地の状況からどのエリアのドクターヘリまで参集させるか、また撤収させるタイミングをどうするかが一番の仕事でした。その他、県庁同士の橋渡し、省庁同士の交渉の依頼、運航会社の保証の問題など、平時の災害対応で行っていることとは異なることばかりでしたが、DMAT事務局、朝日航洋CSの方々のサポートを頂きながら、最終的に1日最大12機による活動が行われました。
ドクターヘリ参集が九州エリアに限定された時点で統括権限を熊本県庁のドクターヘリ調整本部に引継ぎ、最終日はDMAT事務局の追加DMAT投入の調整ミッションを行い帰還しました。

 
<日本赤十字社群馬県支部第2救護班(初動救護班:DMAT)>

・活動期間:2016年4月16日(土)~4月18日(月)
・活動場所:うまかな・よかなスタジアム(うまかなスタジアム)
・活動隊:藤塚医師(班長)、小林医師、志水看護師長、木村看護師、佐藤放射線技師、
    唐澤主事、板倉主事(日赤群馬県支部)

・活動報告(藤塚班長より)
私たちは、本震後第1班に引き続き現地でのドクターヘリ本部活動を行うことを目的に出動しました。ドクターヘリ本部は、県庁に作られたドクターヘリ調整本部の指示のもと、実際にドクターヘリをどの患者さんをどの病院に搬送するかを決定し実行する業務です。


移動当日は、熊本日赤大塚医師のもと活動していたドクターヘリ本部の引き継ぎをさせていただきました。また、その後私は県庁にいき、ドクターヘリ調整本部長本村先生(千葉北総)、県庁災害対策本部長竹内先生(北里大学)、ドクターヘリで駆けつけてくださった小林先生(公立豊岡)、三村先生(徳島県立中央)を交えて会議を開き、明日に備えました。
17日本格的な活動となりました。早朝より熊本日赤でのDMAT隊の会議に参加後、うまかなスタジアムに移動。私が本部長としてドクターヘリ本部を立ち上げ、活動を開始しました。すぐに、隣県からドクターヘリが次々とこのスタジアムに着陸し合計8機のドクターヘリが参集しました。このドクターヘリと協力し、主は熊本市内の災害拠点病院の重症患者さんの転院を調整しました。近隣県の病院がその重症患者さんを引き続き診療してくださることで、熊本市内の災害拠点病院に余裕を作り、次の重傷対応に備えることができることが目的です。

皆さんのご協力のおかげで、無事患者さん搬送をすることができました。本当にありがとうございました。
翌日、我々は後を引き継ぎ帰還しました。
 
今回の活動中、色々な支援やお言葉をいただきました。現地では、JALのみなさん、鹿児島空港のセブンイレブンさんから心温まる支援物資をいただき、本当にどうもありがとうございました。(無事現地に届けることができました。

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