『平成27年度第3回群馬県ドクターヘリ症例検討会』を開催しました。

11月19日に当院において今年度3回目の群馬県ドクターヘリ症例検討会が開催されました。
今回も100名を超えたドクターヘリ関係者に集まっていただき、5事案についてディスカッションを行いました。

<事案検討>

救急救命士の拡大処置行為(心停止前輸液)を施行
救急隊判断で有効と思われる処置は積極的に指示要請をかけましょう!

高崎ドクターカーとコラボした多数傷病者事案
早期の医療チーム指揮命令系統の確立と消防への認知が現場での混乱を防止します!

栃木県ドクターヘリとコラボした2名傷病者事案
CSCATTTのバランスも大事です!

『RPにヘリ先着し救急隊で医療スタッフをピックアップして現場に向かった事案
医療チームの早期傷病者接触が原則です!

ヘリ搬送か陸送か考慮すべき事案
決定的治療開始の遅延も防ぎましょう!


今回はじめて救急救命士の拡大処置行為についてディスカッションがありました。傷病者にとって良いと思われることを行うに当たり、傷病者からいかに所見をとるか、どのタイミングで医師に指示要請を仰ぐか、そしてどうしたら自信を持って処置を行うことができるのかなど活発なディスカッションが行われました。

また複数の医療チームが出動した際にスムーズに活動するための原則やコツ、また搬送先病院を早期に決めることの大切さ、そして傷病者数と医療チーム数のバランスによって活動方針も変化させることの大切さを共有しました。
ちなみに傷病者6名の現場に医療チームが2チームでた場合と傷病者2名の現場に医療チームが2チームでた場合で、各チームの行う活動内容や手順は大きく異なります。前者は災害対応のスイッチを入れますが、後者はあえて災害時のように指揮命令系統にこだわり過ぎず、それぞれが通常通りの活動を行った方が傷病者の現場離脱が早くなることがあります。

「早期医療介入」を大原則ですが、さらに病院での決定的治療開始時間もより早くするための活動が必要です。


今回の症例検討会では先日開催された第22回日本航空医療学会総会で発表した内容も交えておこないました。つまり群馬県もしっかり県をあげてoutcomeを公表することができるよう、参加者の皆様に協力をお願いしました!
さらに関係者と現在調整中である、「消防職員以外のランデブーポイント安全確保」「AACN試験運用」に関するお話もさせていただきました。

3時間の長丁場でしたが(毎回そうですが)、参加された皆様から貴重なご意見をいただきありがとうございました。(さらにそのあと2時間の会議にお付き合いいただいた方々にこころから感謝いたします。)

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