「JR高崎駅化学テロ対処訓練」に参加しました。

雨宮です。
 
去る9月10日、高崎駅で化学テロ対処訓練が開催され、当院から群馬県DMATとして参加してきました。
DMATとは国主導で養成されております、あらゆる災害時において負傷者の初期治療から搬送、さらには病院支援など包括的な災害救護を行うDisaster Medical Assistance Teamの略語のことです。当院では災害救護を重要な役割と考え、日赤救護班のみならず、DMATの編成にも力を入れており、現在国内の病院で2番目の隊員数を誇ります。


 さて、訓練の内容ですが、高崎駅ホームで謎の液体をばらまき逃走を図った犯人を捕らえ、液体により汚染された電車車両、ホームおよび患者さんを除染し、初期治療を現場で行い、病院へ搬送するという内容の訓練でした。

 化学テロに限らず、細菌兵器・放射線/核災害・爆弾による爆傷それぞれ頭文字をとって、CBRNE災害対応と言ったりします。CBRNE災害においては人体に悪影響を及ぼす物質に汚染されるため、それ以上汚染を広げないために、災害現場や被災者をきれいに洗う「除染」という作業が必要になります。原因物質の除去はもちろんのこと、現場の洗浄、さらに被災者自身の除染です。被災者の場合は例えば衣類を除去したり、汚染がひどければ現場にテントを設営しそのなかでシャワーを使用したりします。もちろん被災者の方々のプライバシーには十分注意します。


 今回は高崎駅構内で謎の液体をばらまいたテロが起こったという想定です。そういった場合、CBRNE災害を想定し除染の準備、解毒剤の準備を行い出動します。訓練では即座に警察により犯人が逮捕され、警察と消防隊により除染が行われ、除染後の患者さんを、われわれ医療班がホーム内に開設された救護所で治療を行いました。

 汚染された患者さんの治療ではできるだけ早く解毒剤の投与が必要になる場合もあり、除染も同時に必要なことから、警察/消防など他機関との連携が特に重要になります。


“テロというと非日常すぎて・・・”という方も多いと思いますが、今回のような想定では地下鉄サリン事件と言えば記憶にある方も多いと思います。起こってしまってから対応を考えていたのでは被災者を救うことは絶対にできず、そのためこういった日頃からの訓練が重要であり、これからも研鑽を積んでいきたいと思っております。

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