『前橋市消防局救急車同乗実習』を行いました。

堀口です。
先日、前橋市消防中央消防署にて救急車同乗実習をさせていただきました。24時間、救急救命士さんたちと一緒に消防署で待機して、出動指示が出れば直ちに救急車に乗り込んで現場へ同行するというものです。

当院はドクターヘリやドクターカーの基地病院ですので、プレホスピタルの場に出動するスタッフは多いのですが、私自身はまだドクヘリ・カーの経験がなく、ほやほやの現場へ立ち入るのは初めての経験でした。
出動してから現場到着するまでの救急車内で、司令センターから通報内容を無線で聞き取り、現場到着からの短時間で傷病者の病歴、病状把握、既往歴医・アレルギー歴・内服歴の聴取、人定救急車内への収容、病院選定と受け入れ要請を行う・・・これまで理屈では分かっていましたが、現場での時間との勝負というのは予想通りの厳しいものなのだなと実感できました。


消防署内にある通信指令室での活動も見学させていただきました。119番の通報から、自動的に通報場所と直近の救急隊の位置がモニターに表示され、通報を受けながらクリック数回で救急隊に出動指令が出ること、現場到着時間の目安も直ちに表示されることなどに驚きました。
前橋市管内の現場到着所要時間は平均6分くらいらしく、全国平均の8.5分より短いそうです。見学中に、ドクターカーが出動する事案があり、2台の救急車の位置をモニター画面で見ながらランデブーポイントを微調整するのは職人技だなと思いました。


その他の待機中は、署員のみなさんがされている訓練を見せていただいたりしておりました。

はしご車訓練:
前橋市消防署にあるはしご車は、最高約41mまで伸ばせます。ちょうど時間があいていたので、乗せていただきました。ビルで言うと13階くらいの高さになります。風があまり強くなく、揺れが少なかったので怖いと思うことはなく、良い見晴らしでした。

煙体験コーナー:
消防署内に、一般の方対象に火災現場での避難の体験が出来るコーナーがあります。ここも経験させていただきました。火災現場の煙は有毒ガスが含まれていることと、500度くらいの高温であることから、出来るだけ吸い込まないように、低い姿勢で避難します。黒煙が上がると視界が悪くなるので、自分の位置を見失わないように壁を見つけてから壁伝いに移動し、誘導灯が見えればその方向へ避難するのが良いようです。四つん這いになっての移動は結構動きにくいです。黒煙に囲まれたら、冷静でいるのは難しいなと感じました。訓練やこういう体験コーナでの経験は大切だと思います。

初期消火体験コーナー:
消化器を使う体験コーナーもありました。火事を見つけたらまず「火事ぶれ」を行います、「火事だー」っと3回叫んで人手を集めます。消火器は約5mの距離まで近づいてから使用すること、先にピンを抜いてしまうと運んでいる間に消化剤が出てしまうことがあります。消化器の操作は
1:ピン抜く
2:ホースをつかんで火元をねらう
3:ハンドルを握るの3段階です。
一度握ると15秒くらいで一気に消化剤を噴き出します。ポイントは炎ではなく燃えているものをねらうこと、自分の身が危ないと思ったら逃げることです。豆知識としては、消火するときに逃げ口が背中の真後ろになるように立っておくと、いざ逃げるときに方向を見失わなくて済みます。これも実際の消火になると落ち着いてできないような気がします。急変時のICLSなどと同じことで、普段からの訓練が大事なのですね。


前橋市消防局のみなさまには大変お世話になりました。ありがとうございました。

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