「医療政策セミナー」に参加してきました。

皆様,いかがお過ごしでしょうか.原澤です.
今回は,厚生労働省が毎年開催している「医療政策セミナー」に参加してきたのでそのご報告です.
 
 
皆様の身近にある「医療」って何でしょうか?かかりつけのお医者さんがいれば「○○医院」「□□クリニック」,お子さんを診てもらっている「△△小児科」,ご親族が入院していれば「××病院」などひとくちに医療といっても,関わるものはたくさんありますよね.
 
さて,それらは全て「自由に運営されているもの」というわけではありません.各自治体,各地域で,どのように「医療」を行うのか,考えて調整を行われているはずです.
その指針になるものとして「医療計画」というものがあります.“5疾病5事業”など,皆様ご存知でしょうか?5疾病とは「がん,脳卒中,急性心筋梗塞,糖尿病,精神疾患」を,5事業とは「救急医療,災害時における医療,へき地の医療,周産期医療,小児医療」を指します.
これらについて,現状の把握,課題の抽出,課題解決へ向けた目標設定,などを行うのが「医療計画」であり,こういった「医療の全体像を見渡して」「今後へのプランを構築していく」のが「医療政策」です(といっても私も専門外なので間違っているかもしれませんが).
 
 

 
そういった「全体を見渡す視点」で活動している医師がいます.その代表格と言えるのが(あまり世間的には知られていないかもしれませんが)「医系技官」という職種です.医師国家資格を取得し,行政官として働いている人たちです.

※厚生労働省HP「医系技官とは」 http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/saiyou/ikei/pages/what01.html



彼らが行っている業務を疑似体験し,政策に対する考え方やアプローチのしかたを学び,医系技官との交流を持つ機会となるのが「医療政策セミナー」というものです.今年度は711日・12日の2日間に渡り開催されました(東京会場.今年度は大阪でも別日程で開催されました).

毎年様々なテーマを取り扱うのですが,今年度のテーマは「感染症対策の最近の動き(Ebola出血熱とMARSを例として)」「医師のキャリアパスと地域医療について」という2つのお題でした.内容を書き始めると非常に長くなるので省きますが,各々のテーマで活発な議論が行われ,政策立案の難しさや実行可能性を検討することの重要性,効果と実現可能性のバランスの取り方など,様々な考え方を知ることができ,為になるセミナーであったと思います.学生さんから臨床経験豊富な医師まで,様々な世代が混ざって議論している様も新鮮なものでした.


我々が携わっている医療,特に救急医療と災害時における医療については,5事業のうち2つを占めています.いま目の前にいる患者さんを助けることと同じくらい,「これから発生する患者さんに対してどのようにすれば最適な医療を提供できる仕組みができるか」ということを考え,実行していくことは,重要なことなのだと思います.どちらの視点もなくさないよう,これからも日々患者さんと向き合って行こうと思います.長文にお付き合い頂きありがとうございました.

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