三陸訪問記③~石巻~

町田です。
ゴールデンウィーク中も24時間動き続けている救命センターなので発信すべき情報はいろいろあるのですが、本日も一昨日、昨日にひき続き「三陸訪問記」をお届けします。本日で完結編です。


南三陸を後にしてしばらく内陸を走り、途中できた北上川の大河を横に見ながら石巻に入りました。
東日本大震災の時に石巻をはじめ宮城県の沿岸部の公衆衛生など医療支援の拠点となった石巻赤十字病院が立派にたっています。さらに新病棟の建築など一大拠点としてのビジョンとして掲げた「東北一活気のある病院」の達成に向けて確実に歩み続けている気迫を感じました。
☆石巻赤十字病院ホームページ → http://www.ishinomaki.jrc.or.jp/

東日本大震災において石巻赤十字病院がはたした役割は
果てしなく大きいものでした!
石巻赤十字病院のある内陸部と異なって沿岸部に足を向けると、ここ数年と全く変わらない景色が広がっていました。東日本大震災において最も多くの方が亡くなり多くの家屋の被害があった石巻市『南浜・門脇地区』です。多くの沿岸部の街が大きな被害を受けましたが、亡くなった方が多いのにも関わらずもともとの「石巻市の人口が多いために被害が過小評価されてしまい、その後の話題で大きく取り上げられることが少なく復興の流れに取り残されてしまっている。」というこの地域の方々の話を耳にしました。




民間の震災遺構として「いしのまきありがとうハウス」がありました。以前この場所でラーメン屋を開いていた店主が震災の記憶を後世に残すために語り部としてここを訪れる人々にお話を聞かせてくれていました。
この場所も先日取り壊されたとのことです。残したかったのですがいよいよ復興住宅の整備が始まり、その復興を遅らせてはいけないという判断だったようです。いろいろな悩みをまだ抱えている方々を1日でも早い復興で元気にさせてあげたいと感じました。
☆いしのまきありがとうハウスについて → http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150404_15011.html


そして僕が東日本大震災の災害救護活動で来た『石巻市立病院』の跡地です。ここも1年前に訪れた時と全く同じ景色でした。
ここに来るたびにやはり震災直後にこの病院で勤務していらっしゃったスタッフの皆様の力強さ、患者に寄り添う心を思い出します。本当に言葉にならないほどの医療者としての誇りと魂を感じました。この時に皆様から学んだことは今の僕の救急災害医療に対する気持ちを支えています。


 病院跡地周辺は全く変わっていませんでしたが、いよいよ石巻市立病院の再開が近くなってきたようです。石巻駅のすぐ近くに新病院がようやく立ち始めました。再開に向けてなかなか話が進まずにとても心を痛めていた僕が心から慕う先生も、きっと天国から喜んでみていることでしょう!
☆石巻市立病院ホームページ → http://ishinomaki-city-hospital.jp/


夕方近くになり小腹もすいたので、ここで三陸グルメ第4弾・・・『牡蛎の炭火焼き』!石巻は日本有数の牡蛎の産地で、びっくりしたことに食べ放題。僕は牡蛎に当たるので数量限定にしましたが、さすが産地直送で当たることなくおいしくいただきました。


旅の最後はどうしても再会したい人との待ち合わせです。
DMAT活動で2日間、一緒にドクターヘリへの患者搬送のために病院の外でずっとすごし、そして僕たちが先に離れる時に最後まで追っかけてきてくれて再開の握手をした病院スタッフの方です。
昨年訪れた時も丸2日にわたり、震災から3年間の話をお聞かせいただきましたが、今回も貴重なお話を聞かせていただきました。いまでも病院のお仕事をされながら、地域医療のために研修に来た若手医師に被災地めぐりをしながら震災での体験を伝えていらっしゃるとのことです。



まずは2日間ずっと旅のガイドを買って出ていただいたAll Round Helicopter(ARH)の渡部さんに感謝いたします。震災直後に静岡から三陸沿岸部に入り、その経験から沿岸部の人々のために役立ちたいという熱い心の持ち主だけあって、旅の途中ずっと話が途切れることなくいい年の大人2人の夢を語り合っていました。そして途中で出会った方々が皆さん心温かったことに感激しました。


正直いうと復興がすすんでいるところはまだまだ限られている感じがしました。沿岸部に行けばいくほどつらい光景がまだ広がっています。中央ではオリンピック景気で盛り上がっていますが、まだ仮設住宅に残っている方が8割近くいらっしゃること、そして建築費高騰によりなおさら復興が進まない現状を全員がしっかりと考えないといけませんね。

もちろん僕個人にできることは限られていますが、やはり時々自分の目で見て、耳で聞いて、そして体で感じることが大切だと思いました。今回は宮城県の沿岸部でしたが、これからも災害救護のときにとてもお世話になった福島県やまだ行ったことのない岩手県の沿岸部にも足を運ぼうと思います。

日和山から見た日和大橋と石巻市立病院跡地

お土産!
お酒とゆるきゃらはARH様から頂きました。

コメント

  1. 記事中にある石巻市立病院ホームページアドレスですが、現在のアドレスは「http://ishinomaki-city-hospital.jp/」です。
    「http://www.ishinomaki-mh.jp/」のサイトは、石巻市立病院とは関係のないサイトとなっています。
    お手数ですが、アドレスの修正をお願いいたします。

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    返信
    1. 匿名様
      ご指摘ありがとうございました。早速、コンテンツ確認の上、訂正させていただきました。
      大変失礼いたしました。
      今後ともよろしくお願いいたします。

      削除

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