『愛車が主人のためにドクターヘリを呼んでくれる』時代に向けて!~AACN実働訓練参加報告~

町田です。
今回のブログのタイトルは、今回とりあげるシステムの開発に関わっている千葉北総病院の本村先生の名言を頂きました。
 
昨年度末の3月28日に千葉県北部ドクターヘリ(北総)の実機を用いた『先進事故自動通報システム(AACN)実働訓練』に参加しました。
*AACN(Advanced Automatic Collision Notiffication)
http://www.jatme.jp/pdf/13_05.pdf#search='AACN'
http://www.hemnet.jp/aacndemo/

 
もともとACNは、TOYOTAの高級車の一部についている交通事故自動通報システムで、車にある一定の衝撃を感知すると自動的にオペレーターに繋がり、オペレーターの呼び出しに反応がなければ救急隊を要請するシステムです。
*現在のACN装着率:50万台/2000万台(日本)とまだまだ少ないものの、最近HONDAも大衆車に載せ始めており今後増加する見込みです。

AACNにより伝送される情報!
事故から1分で位置情報、重傷死亡率が表示されました。

AACNとは、ACNをHEM-Net理事(前日本医大救急医学教授)の益子先生を中心に関係各省、自動車工学会、保険会社などと協働して、車が事故を起こしたらその衝撃やシートベルトのあるなしなどからいろいろ計算して重症死亡率を割出し、その結果と位置情報を基地病院と消防本部のタブレット端末に飛ばすシステムです。
AACN標準装備にむけて国家プロジェクトとして動いてもらうことを目的としていて、さらにその情報をもとに迅速にドクターヘリ出動ができるように結びつけようとする狙いです。
*重症死亡率の定義:警察の500万人を超える交通事故のデータから、「死亡、入院中死亡、入院治療を30日以上要した生存」になりそうなもので定義したとのこと。

 
訓練では、事故から1分後に基地病院と消防本部に位置情報と重症死亡率が送られてきて、4分後にはドクターヘリ出動(北総の要請から出動までの平均時間は3分)、そして救急隊より先にヘリがランデブーポイントまで到着しました。訓練の都合上で救急車の到着を待ってヘリは着陸しましたが、実際には安全確保ができたらすぐに着陸し現場派遣なども視野に入れれば、かなりの早期の医療接触が可能です。

感想は「とにかく迅速!」の一言です。
不幸にも事故にあってしまい運転手が重症な状態になったとしても、すぐに『愛車が主人のためにドクターヘリを呼んでくれる』時代が来ることへの期待に胸が高まります!
 
 
この訓練には、手稲渓仁会病院の高橋センター長、福島県立医大の田勢教授、公立豊岡病院の小林センター長、そして当院から町田(中野前センター長の代役)が招かれましたが、ここにあと数か所の基地病院を加えて、実際にドクターヘリを用いて今年の夏ごろから施行運用を開始する予定で動いています。
当県ドクターヘリは関東のドクターヘリの中から施行運用する県として選抜されたということで、とても責任重大であると感じています。

左から田勢先生、益子先生、町田、高橋先生、小林先生。
このような先生方に囲まれて本当に幸せです!
 
 せっかく良いシステムが入っていてもそれがきちんと良い結果として結びつくように、1日1日しっかりと目の前の重症患者さんのために真剣に戦っていきます!

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