2014年度群馬県ドクターヘリ活動実績とさらなる飛躍のために・・・

2014年度の群馬県ドクターヘリ活動実績がまとまりました。




1.要請・出動数

 


2.消防本部別要請数



3.搬送先病院(U-turn vs. J-turn)



4.疾患分類
 


5.活動時間

 
 
 
いろいろ述べたいことはあるのですが、今回は2つのことだけ取り上げます。
 
1つ目は、未出動数の増加についてです。
要請数の伸びに比べて出動数の伸びが乏しくなっています。もちろん要請数が増える分だけ重複要請の確率も増えるのは当たり前ですが、どれだけ早期医療介入を必要としている患者さんのもとへ医療の手を差し伸べられるかが大切です。
もしかしたらすでにドクターヘリ1機だけでは足りない気もするのですが(2013年度は1機体制の府県では最も出動しています)、そう簡単に2機目を導入できる人材や資金があるわけでありません。
 
しかし、群馬県は隣県、各機関の協力と信頼関係のおかげで、群馬県ドクターヘリ以外の手段で多くの要請に出動していただいています。群馬県ドクターヘリが未出動のなかで代替え手段で出動した件数はなんと『112件』もあります。
<112件の内訳>
・群馬県防災ヘリドクターヘリ的運用 24件
・群馬県防災ヘリ 3件
・栃木県ドクターヘリ 17件
・信州ドクターヘリ佐久 12件
・埼玉県ドクターヘリ 1件
・前橋ドクターカー 38件
・高崎ドクターカー 14件
・足利ドクターカー 3件
 
もちろん群馬県ドクターヘリも近隣県の応援ができるような気持ちで常にいます!
 
 
2つ目は、活動時間の短縮です。
群馬県全域をドクターヘリで20分以内に到達できるため、群馬県ドクターヘリはいつも「覚知から初療まで30分以内」(30分ルール)と「覚知から病院到着まで60分以内」(60分ルール)の達成率70%を目標に活動してきました。
2014年度はようやく全出動の平均活動時間で30分ルール、60分ルールを達成することができました。特に30分ルールの達成には消防覚知からヘリ要請までの時間短縮、60分ルールの達成にはヘリチームの現場滞在時間の短縮の成果であると考えられます。
 
しかしあくまでこれらは平均時間であって、30分ルール、60分ルール達成率はそれぞれ全事案の50%ちょっとしかありません。

 重症度や緊急度が高い患者さんにとって1分1秒がどれだけ貴重なものか、救命や社会復帰を左右するか、消防、医療、運航会社のすべてが改めてしっかり考えていかなければいけません。


2015年度も現状に甘えずにさらなる飛躍ができるように、周辺との連携、時間の意識をさらに強化していく次第です。
 

コメント

このブログの人気の投稿

新年度集合写真

先日ブログでご紹介した新型コロナワクチン筋注方法について訂正があります

タカラトミーさんが当院を取材