2015年4月30日木曜日

関越道大型バス事故から3年・・・

昨日から本格的なゴールデンウィークが始まりました。
人の移動が多いためか、急に暑くなったせいもあってなのか、ドクターヘリの出動数や救急車の搬送患者数も増えています。ゴールデンウィーク、夏休み、年末年始と大型連休の時期は、救命救急センターが最も忙しくなる時期です。



3年前の昨日(4月29日)の朝方に「関越車大型バス事故」が起こりました。この事故では7名の尊い命が失われ、39名の方が重軽傷を負いました。
この事故の対応では、広域災害対応ばかりに目が行っていた群馬県の各機関に、局地災害対応の課題をまざまざと見せつけられました。
この事故でけがをされた方々にもちろん医療、消防、行政は全力で力を注ぎましたが、この事故を契機に群馬県の局地災害の対応が大きく前進したことも事実です。

様々な教訓を残してくれたこの事故は、群馬県の災害救護に携わるあらゆる機関にとって絶対忘れられない事故です。
この事故で亡くなられた方の息子さんが今年度になって群馬県警に就職したとのことです。ますます各機関の連携を強化して、もし群馬県で局地災害があったときに一緒に一人でも多くの命を救っていきたいと思います。

2015年4月29日水曜日

ドクターヘリがこれだけ集まっている地域だからこそ・・・(信州ドクターヘリ事後検証会議参加報告)

町田です。

昨日のブログでは滋賀県ドクターヘリ(京滋ドクターヘリ『KANSAI・ゆりかもめ』)の運航開始と、それに関連して関西広域連合における広域医療分野でのドクターヘリのあり方についてちょっとだけ書かせていただきました。

群馬県はいまのところ栃木県、埼玉県とドクターヘリ広域連携を結んでおり(栃木県は北関東広域連携として、埼玉県は試行事業として)、重複要請時や多数傷病者事案に関してエリアの限定はあるものの迅速に隣県に応援に行くことができます。また信州ドクターヘリ佐久の基地病院である佐久総合病院佐久医療センターと強固な連携関係があり、県や運航会社を超えた柔軟かつ迅速な連携を行っています。


メールや電話でのやり取りももちろんですが、やはり連携を強化するため直接お話をすることも大切です。昨日は僕と社会課のメンバーで佐久総合病院佐久医療センターで開催された『第114回信州ドクターヘリ事後検証会議』に参加させていただきました。




ドクターヘリの先輩基地病院であり、参加された消防関係者の方々から活発に意見が出ていて、ディスカッションの中から多くのことを学ばせていただきました。
先日群馬県内のドクターヘリ事案に群馬県ドクターヘリだけではなく信州ドクターヘリ佐久にも応援に来ていただき、2機のドクターヘリによる同一事案の対応がありました。実は群馬県ドクターヘリと信州ドクターヘリ佐久の合同ミッションは初めてであり、今回参加された消防関係者からも長野と群馬のドクターヘリの連携についてたくさん質問を頂きました。もちろん佐久だけではなく信州ドクターヘリ松本ともいろいろな形でつながっていこうと考えています。
群馬県のスタンスはいつでも「連携歓迎!」です。このような意見交換からさらなる顔の見える関係が出来上がることを感じました。来月は佐久医療センターのスタッフの方が群馬県ドクターヘリ症例検討会に来てくれます。


ところで群馬県と隣県とのドクターヘリの配備を知っていますか?
群馬県と隣県のドクターヘリ配備状況(新潟の点線は2機目が配置となった場合)。
半径20分で円を描いた場合、どこが県境だかわからないくらいですね。新潟に2機目が配備された場合、群馬県は隣県ヘリの20分圏内ですべて埋め尽くされます。そして群馬県のヘリもすべての隣県に手を差し伸べることができます。

それでは関東のドクターヘリの配備を知っていますか?
今回は半径15分で円を描きました(静岡東部、山梨、信州佐久を含む)。
上の図を見るとすでに県境の存在は関係ないように見えてきてしまいます。
関西広域連携だけではなく、中国地方では知事会での話から「一番近いドクターヘリを要請できる」ルールが成立しています。
どのような運用が最も患者さんのためになり、そして一人でも多くの患者さんのもとに駆けつけるか・・・医療スタッフはどこから呼ばれても患者さんへ行うこと、患者さんへの気持ちは全く変わりません!

人口が密集しており残念ながら重症患者の発生数も多いこの地方だからこそ、ドクターヘリの広域連携をもっと超えた活動はまさにここから始めないといけませんね!

2015年4月28日火曜日

滋賀県ドクターヘリ(京滋ドクターヘリ『KANSAI・ゆりかもめ』)が運航開始となりました。

町田です。
暑いですね。まだ4月ですが真夏に灼熱となる館林市では連日30度を超しています。地元北海道でも30度を超しているようで、同じ夏日なのに東京の25度が涼しそうに感じてしまいます。
今年の夏はどうなってしまうのかとても不安です・・・


皆さんは「関西広域連合」というものを知っているでしょうか?
防災、観光・文化振興、産業振興、医療、環境保全、資格試験・免許等、職員研修の7分野を、府県域を越えた行政課題に取り組むこと、および国の出先機関の受け皿となり地方分権を推進させることを目的として2府5県(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、和歌山県、鳥取県、徳島県)と4政令市(大阪市、堺市、京都市、神戸市)で設立した特別地方公共団体とのことです。
*もっと詳細はこちらを → http://www.kouiki-kansai.jp/

7つの分野の1つである「広域医療」の中にドクターヘリの行政域を超えた活動も含まれています。いままでこの広域連合内には大阪府ドクターヘリ(『KANSAI・もず』)、兵庫県北部ドクターヘリ(3府県ドクターヘリ『KANSAI・こうのとり』)、兵庫県南部ドクターヘリ(兵庫県ドクターヘリ『KANSAI・はばタン』)、徳島県ドクターヘリ(『KANSAI・藍バード』)、和歌山県ドクターヘリの5機が運航していましたが、今日から新たにもう1機のドクターヘリが運航開始となりました。

全国37道府県、45機目の滋賀県ドクターヘリ(京滋ドクターヘリ『KANSAI・ゆりかもめ』)が、済生会滋賀県病院を基地病院として本日より運航開始となりました。
☆滋賀県ドクターヘリについて → http://www.pref.shiga.lg.jp/e/imuyakumu/unkou.html

本日基地病院で就航式は開かれ、早速初出動があったとのことです。
(同院看護師さんより写真を頂きました。)
日本地図がかなり埋まってきました。

基地病院には災害救護活動やDMAT研修などでいつもお世話になっているスタッフも多く在籍しており、間違いなく地域の救急医療にさらに貢献することになるでしょう!滋賀県ドクターヘリの活躍を心より願っております。



関西広域連合のホームページには以下のことが書いてあります。

ドクターヘリについては、関西広域連合が主体となって一体的な運航体制の実現に向け、
・府県域にとらわれない「柔軟な運航体制」の構築
・重複要請時等において、複数機のドクターヘリが補完し合う「相互応援体制」の構築
を行うこととしています。
※また、関西広域連合管内にある「和歌山県ドクターヘリ」とも緊密な連携を図ることにより、当面は5機(今日から6機)による一体的な運航体制の構築を図ることとしています。

関西広域連合内では、ドクターヘリ50Km圏内(15分)でここまでエリアが埋まりました。
すでにこの地域では特に多数傷病者事案などで複数機がスムーズに参集する活動が行われています。
(公立豊岡病院但馬救命救急センター 小林先生から頂いた資料を一部改訂)
 
この図を見た時にもっとドクターヘリが密集している関東とその周辺県でも、このようなドクターヘリ活動が行われなくてはいけないと強く感じました。この続きはまた次回(次々回?)に・・・
 
 




 

2015年4月27日月曜日

2015年度集中治療科・救急科スタッフ集合写真!(前編)

ネパールの首都カトマンズ近辺で起こった大地震において、今朝の時点ですでに2500名以上の死者が出ているとの報道がされています。残念ながら日本人の登山者も雪崩に巻き込まれてしまい尊い命を落としています。
すでに日本からも各機関から国際緊急援助隊の派遣がされています。皆様の活躍で1人でも多くの行方不明者の捜索、そして1人でも多くの命が救われることを願っているとともに、我々もできる範囲でサポートをしていきたいと思います。

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毎年恒例の集中治療科・救急科スタッフ集合写真の撮影が先日24日に行われました。

勤務の都合上でなかなか同じ時間に23人全員が集まれることがないのですが、新3役の中村センター長、高橋副センター長、宮﨑部長がそろう日に合わせて、朝の忙しい時間の合間を縫って高度救命救急センター入口前で敢行しました!

前列:(左から)橋本、星野、中村センター長・救急科部長、宮﨑集中治療科部長、伊藤、田中
2列目:(左から)堀口、劉、雨宮、菊谷、原澤、増田
後列:(左から)白戸、桜澤、小橋、高橋副センター長、藤塚、齋田研修医
(*欠席:町田、鈴木、小倉、大瀧、小林、内海・・・後編として後日公開予定!?)

今までは中野院長(前センター長)が中心に鎮座していましたが、今年度からは中村センター長・救急科部長、高橋副センター長、宮﨑集中治療科部長を中心にスタッフ一同一丸となって高度救命救急センターの運営を行っていきます。これからもよろしくお願いいたします。

今年度スタッフの出身地です!
①群馬県 5人 ②東京都・埼玉県 3人 ④秋田県・茨城県 2人
今年度スタッフの出身大学です!
①群馬大学 5人 ②東京慈恵会医科大学 3人
③旭川医科大学・秋田大学 2人

当科スタッフ紹介については、集中治療科・救急科ホームページからどうぞ。
 スタッフ紹介 → http://www.gunma-redcross-icuqq.com/staff/index.html
 スタッフ募集 → http://www.gunma-redcross-icuqq.com/recruit/index.html


最後は当科の活動を平時から支えていただいている診療秘書さんも一緒に!

2列目:(右端)矢嶋さん
後列:(左端)中島さん、(右端)小澤さん

2015年4月26日日曜日

福知山線脱線事故から10年・・・

病院の裏の通りのハナミズキがきれいに咲き誇っています。ハナミズキの花言葉の意味の一つに「永続性」という意味もあるそうです。



10年前の4月25日は福知山線の脱線事故が起こった日でした。
僕はまだ救急医ではない時代の話で、病院でテレビを見ながら「大変なことが起こった」とただ見ているだけの立場でした。そして救急医の道を進むようになり、その時に現地で活動したり患者さんを受け入れた病院の関係者の方々からたくさんお話を伺う機会がありました。

ゴールデンウィークが近づくと、3年前の4月29日に起こった関越道の大型バス事故を思い出します。この時はまさに当院スタッフが総出でその対応に当たりました。
この時に福知山線脱線事故対応について教えていただいた知識が役に立ったこともあり、また新たな課題も見つかりました。


このような交通機関での事故は時としてたくさんの負傷者が発生することがあります。事故は絶対に起きてほしくないと願っていますが、そのようなことが起こったときに全国どこにおいてもこのような経験を活かせるように永続的な活動が必要だと改めて感じました。
福知山線や関越道など交通災害でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、これからも一人でも多くの命を救うために真摯に災害対応に向き合っていこうと思います。

2015年4月24日金曜日

「七人の侍!?」~初期臨床研修にメンター制度導入~

町田です。

当院は臨床研修指定病院で、毎年10名を超える初期研修医が当院を選択して2年間の研修を頑張っています。いまの新臨床研修制度になって気が付くと10年以上がたっており、古い体制で研修を受けた僕たちの世代も、研修医の教育について以前よりも深く考える時代になっています。

新臨床研修制度については正直いろいろなマイナスの意見があります。
しかしながら高度救命救急センター、基幹災害拠点病院である当院を希望してやってきた初期研修医は、やはりモチベーションが高いことも事実です。昔と違っていろいろと国(臨床研修評価機構)から厳しい制限があるなかで、その限られた時間の中でどれだけの経験ができるかは研修医自身にかかってくるところが大部分ですが、やはりそれを支える指導医も重要な存在になってきます。

当院初期臨床研修に関しては、以下のURLをどうぞ!
http://www.maebashi.jrc.or.jp/gakusei/details.php?eid=00003

当院には臨床研修管理委員会というものがあり、教育研修推進センターを中心に各科、各部署の代表者、そして外部の先生方をお招きして、初期研修医の育成について話し合う場があります(ちなみに僕は集中治療科・救急科の代表です)。
今まですでに100名を超える初期研修医を輩出した当院でもまだまだ課題がいっぱいあります。特に初期研修医が増えれば増えるほど、なかなか研修医の一人一人に目や手が届かなくなっている実情が見えてきました。昔のような「黙ってついてこい!」という時代ではありません・・・

そこで今年度新たに委員長となられた丹下副院長より『メンター制度』の導入が提案され、昨日の臨床研修管理会議において正式に採用が決定しました。
当院医師の中からメンターが7人選出され、23人の初期研修医を3,4人ずつ7グループにわけて、それぞれ1グループずつ担当することとなりました。
選出された7人は、高山先生(消化器内科)、浅見先生(整形外科)、大澤先生(産婦人科)、佐藤先生(総合内科)、柴田先生(麻酔科)、林先生(感染症内科)、そして町田です。各研修医の研修期間の『心技体』の充実のために「7人の侍」として活動し、最終的に初期研修医たちが自らの手で医師として成長できるよう見守っていこうと考えています!


ちなみにさっそくチーム町田で集まったときの集合写真です。患者さんのために熱い医療者の魂をもってがんばっていきましょう!よろしくお願いします。

2015年4月22日水曜日

2014年度群馬県ドクターヘリ活動実績とさらなる飛躍のために・・・

2014年度の群馬県ドクターヘリ活動実績がまとまりました。




1.要請・出動数

 


2.消防本部別要請数



3.搬送先病院(U-turn vs. J-turn)



4.疾患分類
 


5.活動時間

 
 
 
いろいろ述べたいことはあるのですが、今回は2つのことだけ取り上げます。
 
1つ目は、未出動数の増加についてです。
要請数の伸びに比べて出動数の伸びが乏しくなっています。もちろん要請数が増える分だけ重複要請の確率も増えるのは当たり前ですが、どれだけ早期医療介入を必要としている患者さんのもとへ医療の手を差し伸べられるかが大切です。
もしかしたらすでにドクターヘリ1機だけでは足りない気もするのですが(2013年度は1機体制の府県では最も出動しています)、そう簡単に2機目を導入できる人材や資金があるわけでありません。
 
しかし、群馬県は隣県、各機関の協力と信頼関係のおかげで、群馬県ドクターヘリ以外の手段で多くの要請に出動していただいています。群馬県ドクターヘリが未出動のなかで代替え手段で出動した件数はなんと『112件』もあります。
<112件の内訳>
・群馬県防災ヘリドクターヘリ的運用 24件
・群馬県防災ヘリ 3件
・栃木県ドクターヘリ 17件
・信州ドクターヘリ佐久 12件
・埼玉県ドクターヘリ 1件
・前橋ドクターカー 38件
・高崎ドクターカー 14件
・足利ドクターカー 3件
 
もちろん群馬県ドクターヘリも近隣県の応援ができるような気持ちで常にいます!
 
 
2つ目は、活動時間の短縮です。
群馬県全域をドクターヘリで20分以内に到達できるため、群馬県ドクターヘリはいつも「覚知から初療まで30分以内」(30分ルール)と「覚知から病院到着まで60分以内」(60分ルール)の達成率70%を目標に活動してきました。
2014年度はようやく全出動の平均活動時間で30分ルール、60分ルールを達成することができました。特に30分ルールの達成には消防覚知からヘリ要請までの時間短縮、60分ルールの達成にはヘリチームの現場滞在時間の短縮の成果であると考えられます。
 
しかしあくまでこれらは平均時間であって、30分ルール、60分ルール達成率はそれぞれ全事案の50%ちょっとしかありません。

 重症度や緊急度が高い患者さんにとって1分1秒がどれだけ貴重なものか、救命や社会復帰を左右するか、消防、医療、運航会社のすべてが改めてしっかり考えていかなければいけません。


2015年度も現状に甘えずにさらなる飛躍ができるように、周辺との連携、時間の意識をさらに強化していく次第です。
 

2015年4月21日火曜日

2014年度前橋ドクターカー活動実績とこれからの展開・・・

2014年度の前橋ドクターカーの活動実績がまとまりました。


2012年度(2013年2月)より開始した「前橋地域ドクターカー試行運用(前橋ドクターカー)」ですが、あくまで群馬県ドクターヘリ補完事業として開始したもので、前橋市消防局からの要請可能時間にかなりの限りがありました。しかし、日々のドクターヘリ活動の中でもドクターカーのニーズが潜在していることを感じており、補完事業の範囲ながら少しずつ要請できる条件が広がってきています。

<要請可能条件の広がり>
2013年2月1日~
群馬県ドクターヘリの運航終了時間(日没時間30分前)から17時45分までの時間に運用
 ↓
2013年8月31日~
日没時間に加えて悪天候などで群馬県ドクターヘリが出動できない時間に運用
 ↓
2014年6月9日~
日没時間に加えて悪天候、重複要請などで群馬県ドクターヘリが出動できない時間に運用
 ↓
2014年10月1日~
さらにヘリ要請の内容によってドクターヘリからドクターカー切り替えも正式に本事業のカー出動として取り扱う

上記のような流れもあり、年々要請・出動回数が多くなってきました。

前橋ドクターカー月別出動数

キャンセル件数が多いのは事実ですが、ほぼ全例覚知要請事案であり消防にとってもとても使い勝手のよい手段であるという証明になっています。しかもドクターカーに関してはほぼ全例で消防覚知同時要請です。

☆2014年度前橋ドクターカー実績
(合計:要請108件、出動105件)
  4月 :要請 0件 、出動 0件
  5月 :要請 0件 、出動 0件
  6月 :要請12件、出動12件(現場10件、キャンセル 2件 )
  7月 :要請 5件 、出動 5件 (現場 3件 、キャンセル 2件 )
  8月 :要請10件、出動10件(現場 3件 、キャンセル 7件 )
  9月 :要請15件、出動14件(現場 3件 、キャンセル11件)
 10月:要請11件、出動11件(現場 6件 、キャンセル 5件 )
 11月:要請14件、出動14件(現場 9件 、キャンセル 5件 )
 12月:要請18件、出動16件(現場 9件 、キャンセル 7件 )
  1月 :要請14件、出動14件(現場10件、キャンセル 4件 )
  2月 :要請 3件 、出動 3件 (現場 2件 、キャンセル 1件 )
  3月 :要請 7件 、出動 7件 (現場 3件 、キャンセル 4件 )

前橋ドクターカーの実績も毎月ブログで報告させていただきましたが、基地病院の集計に誤りがいくつもあり、先日前橋市消防局にて統計の照合を行いました。上記実績が2014年度の最終報告になります。


今後のドクターカーの展開についてですが、まずは今年度より前橋市消防局がドクターカー担当のスタッフと車両を配備しました。消防はいつでもドクター・ナースをピックアップする体制を整えてきました。
そうなるとあとは基地病院でいかにドクターカーで出動できるスタッフが確保できるかにかかってきています。まずは初期診療でどれだけ安定した状態に持っていけるかが、手術や集中治療で一人でも多くの患者さんを救命、社会復帰するためには重要であること忘れてはいけません。ドクターカー専属でスタッフ配備がまだ難しい状況で、平時の医療業務を怠らずに病院前にスタッフを投入できる手段を作り上げていきます。


前橋市消防局と何度も話し合いを進めていきながら、最終的には「空から陸から」患者さんのもとに駆けつけられるように体制を整えていきたいと思います。でも体制を整える前からできることは積極的に行ってきますよ!もちろんスタッフのモチベーションも最も大切なことの一つです・・・

2015年4月19日日曜日

『ビデオ硬性挿管用喉頭鏡講習』参加報告。~救急救命士の処置拡大に関して~

皆様,いかがお過ごしでしょうか.前橋赤十字病院 集中治療科・救急科 原澤です.

今回は,本年2月に開催された『ビデオ硬性挿管用喉頭鏡講習』に参加して参りました.だいぶ前の出来事となってしまい恐縮ですが,救急救命士の皆さんの活動への理解を深めていただくという意味もあり,記事を書かせていただきました.
 
 


救急救命士は,患者さんに対する様々な処置を行いながら,医療機関まで患者さんを搬送してきてくれます.その処置の中に,「気管挿管」というものがあります.高度な医療処置で,口の中を直接覗き込みながら,気管の中に専用の管を入れ,肺に直接空気を送り込むことができるようにする,というものです.我々医師はこの処置を様々な場面で行います.全身麻酔をかけておこなう手術のとき,呼吸状態が悪いとき,意識状態が悪いとき,などなどですが,ある程度の技術が必要な処置ですので,当然トレーニングが必要です.
救急救命士は,この処置を「心肺停止状態」にある患者さんにのみ施行して良いこととなっていますが,施行できるようになるには「認定」をもらうことが必要です.各地域で救急救命士の処置の質を保障するために,基幹病院での「気管挿管実習」などをおこなっています.皆さんのご理解とご協力をいただきながら,いざという時の備えをしているわけですね.


この「気管挿管」という処置に関係してくるのが,タイトルの中にある「ビデオ硬性挿管用喉頭鏡」というものです.

 
一般的な気管挿管に使用する「喉頭鏡」という器具があります.これは,舌と下顎を動かして(持ち上げて)気管の入口が見えるようにする,というものですが,この処置に際してはどうしても首を大きく動かす必要があるため,頸部が動かせない理由がある患者さんにはおこないづらいことがあります.それ以外にも,喉頭鏡での操作では気管の入口が確認できない患者さんがいます.こういった患者さんにも処置をする必要がある時に,その補助として「ビデオ硬性挿管用喉頭鏡」が有効な場合があります.これはビデオカメラが先端についた喉頭鏡で,喉の奥の正しい位置に喉頭鏡を入れれば,カメラの先端が気管の入口を映し出してくれ,そこをめがけて管を入れる,という処置が可能となるものです.比較的新しい器具なのですが,医療機関での有用性が認められ,これを救急救命士の処置にも利用できるようにしよう,という動きが出てきました.


群馬県では,昨年から「ビデオ硬性挿管用喉頭鏡」を使用するための教育として講習を開催し始め,また「ビデオ硬性挿管用喉頭鏡」を使用した活動が実際に現場でできるように県内での体制整備を進めています.平成273月に,県として「ビデオ硬性挿管用喉頭鏡」を用いた活動の具体的内容(救急活動プロトコル,といいます)を作成しました.現在はそれを各地域で開始するかどうか調整している段階です.

このように,
①実際に器具を使った活動ができる人材を育て,
②その器具を使った活動の内容を保障する仕組みづくりをする,
という2点がそろって始めて,実際に現場での活動に活かすことができるわけです.
ややこしいですよねこの煩雑さは,救急隊の活動の難しさ,重要さを物語っています.


今回は,この①実際に器具を使った活動ができる人材を育てる,ということに参加してきました.
参加してくださった救急救命士さんは,皆さん実力のあるベテランばかりで,理解もはやく順調に講習は進んでいきました.最後の実技試験をおこないながら,実際の活動を想定していろいろな議論がなされていました.私も議論に加わっていて参考になる点がいくつもあり,勉強になりました.

こういった教育活動に参加すると,自分一人でできることがいかに少ないか,教育し広めていくことがどれだけ重要か,ということを実感します.一人でも多くの患者さんが,適切な治療を的確なタイミングで受けられるように引き続き尽力していきたいと思っています.

(元)センター長も率先して参加していました!

長文失礼致しました.最後まで読んでくださった方々,ありがとうございました.
 




2015年4月17日金曜日

シップチェンジ!(JA6917からJA117Rへ)

町田です。
ドクターヘリの機体も車の車検にように定期点検があったり、また飛行時間に応じての点検があります。また機体の負担の平均化のために機体のローテーションが行われています。

昨年12月10日にJA6910と交代でJA6917がやってきました。
昨日までの128日間で294件の出動に対応していただきました。特にこの時期は冬の強風の中でスキー場に出動する機会も多く、1回のフライト時間が比較的長い傾向にありました。

昨日名古屋よりJA117Rが群馬まで空輸され、昨晩のドクターヘリ待機終了後に群馬ヘリポート格納庫内で機体交換を行いました。
今日からは『JA117R』に群馬県ドクターヘリとしてしばらく活躍していただきます。無線では『ジュリエット・アルファ・ワン・ワン・セブン・ロミオ』と呼ばれます!今までと同じ機種(BK117C-2)ですが、比較的新しい機体で若干細かいところが異なっています。

画像や動画で機体によるちょっとした違いを探してみてくださいね!

写真左:JA6917 写真右:JA117R
写真左:JA117R 写真右:JA6917
 
資器材が空になったBK117C-2の後方キャビン(ドクター席から)
広い!
朝日航洋株式会社さんは60周年とのことです。
おめでとうございます!

2015年4月16日木曜日

今年度も“らしさ”を発揮していきましょう!

町田です。
4月に入り天候不順な日が続いており、昨日は晴に雨雲、雷、そして雹まで降り始めて、まさに「お天気オールスターズ」のような1日でした。悪天候が続いたため満開の桜もあっという間に散ってしまい、今年は特に桜を楽しむ時間がありませんでした。
今日は久しぶりに朝から晴天が続き、めずらしく朝から屋上にドクターヘリがスタンバイしています。
久しぶりの澄み切った青空です。

天候不順の影響で新年度まだ半月ですがドクターヘリの出動数は例年の3分の2以下となっています。
天候には勝てないのでそこはどうしようもないのですが、ドクターヘリではなくドクターカーで代替え出動したり、短い出動可能時間の中で重複要請があった場合に、防災ヘリドクターヘリ的運用や隣県ドクターヘリとの連携を図って、1件でも多く早期医療介入が行えるようにしています。
悪天候の影響で出動0件や1件が多い今月前半です。
上記の表の注目部分は枠外の赤文字です。
群馬県ドクターヘリが悪天候や重複要請で出動できない時に、栃木県ドクターヘリ応援出動1件、防災ヘリドクターヘリ的運用2件、前橋ドクターカー出動4件でカバーしています。また11日に関しては群馬県ドクターヘリも栃木県に応援出動しており、同じ日に相互の応援が見られました。

群馬県ドクターヘリ1機ですべてのドクターヘリ要請に応需できないことは事実です。
しかし群馬県は、防災ヘリドクターヘリ的運用、栃木県ドクターヘリ、埼玉県ドクターヘリ、信州ドクターヘリ佐久、前橋ドクターカー、高崎ドクターカー、足利ドクターカーという心強い多くの代替え手段を持ち合わせています。逆に群馬県ドクターヘリも応援手段として積極的に用いられて良いと思っています。
「すべては患者さんのために」「県境を問わずに作戦を考える」という、当基地病院の“らしさ”を今年度も早々より発揮しています!もちろんご支援いただいている各機関に心より感謝しています。


群馬県の病院間診療に関わるチームの方針は以下の一言に尽きます・・・
『できない理由を考えず、どうしたらできるかから考える!』

2015年4月15日水曜日

2014年度高度救命救急センター活動実績報告!

広島空港での飛行機事故のニュースが飛び込んできました。
幸い重傷者はいなかったとの報道ですが、一歩間違えれば大災害に発展していた可能性があり、なかなか心中穏やかではありませんでした。
しかし広島には土砂災害の対応などで活躍した優秀な医療チームがそろっています。おそらく今回も現場での情報収集や病院での患者対応に一生懸命頑張っている仲間たち、そして関係各機関に皆様にエールを送ります!
 
 
 
前橋赤十字病院高度救命救急センターにおける2014年度の実績がまとまりました。(あくまで当科で管理している手元にあるデータをまとめたものですので、最終的に正確な数値がそろい次第あらためてお伝えする予定です。)
 

2014年度で特筆すべきことは、年間の救急車受入れ台数が5000件前後であったのが、2013年度より伸び始め昨年度にようやく6000台を突破しました。
また16日間にわたる長期運休がありましたがドクターヘリ出動数も運航開始より連続して出動数の増加を記録し、さらに防災ヘリドクターヘリ的運用、ドクターカーによる出動を合わせると、年間1000件を超える症例に対して病院前から高度の医療が開始されるようになりました。
そして救急車受入れ台数や病院前医療の増加に伴ってより重症患者に対応するようになってきており、それにあわせて当科の入院患者数の増加とともにICUに入室する患者数も激増しました。

毎年度記録として公表している数値(上記表中の項目)に関しては、2014年度はすべて前年度より増加傾向を認めましたが、それは当科スタッフの増員もありある意味当たり前の結果であったと感じています。

しかしながら実績の上昇に関しては、当科のみの力では決してありません。
積極的に病院前に医療チームを引っ張り出していただいている消防本部、当院を信頼して搬送していただく救急隊、そして多くの救急患者にいつも協力して診療していただく各病院、各専門科医師、スタッフの皆さんの力なしでは成し遂げないことだと思っています。平時からの救急医療へのご協力のほど心より感謝いたします。

それでは治療成績に関してですが、ずばり“当院の成績はけっこう良いですよ”と言えると思っています。もちろんこの治療成績に関しては、今年度はより積極的に学会報告や論文などできちんと公表していく予定です。


中野新院長就任のあいさつで『できない理由を探さない』という言葉がありました。
地域の救急医療における高度救命救急センターの責任はとても大きいです。『できる方法を見つける』努力をつづけてさらなる発展を目指していきますので、今年度も当センターの活動へのご理解ご支援、そしてご声援のほどよろしくお願いします!

2015年4月13日月曜日

新しい時代を前に(群馬県ドクターヘリ平成27年3月度実績を更新しました)

Web担当の伊藤です。

平成27年度の前橋赤十字病院は激動の波とともに始まりました。
中野 実新院長とともに歩む第1歩を踏み出したのです。
年度始めの職員への挨拶で中野院長がおっしゃった
「できない理由を探さない」
という言葉が、胸に深く刻まれています。
これから11年間、前橋赤十字病院は中野院長先生と歩む新しい時代を迎えます。



4月1日辞令式の日の中村センター長。
滅多に見られない白衣姿が新鮮でした。
そして、前橋赤十字病院高度救命救急センターは、中村光伸新センター長・救急科部長とともに新しい第1歩を踏み出しました。
それと同時に高度救命救急センターホームページのトップページ、そしてスタッフ紹介ページを新しくしました。
両ページとも、デスクトップ・ノートパソコン、そしてiPadなどのタブレット、iPhoneなどのスマートホンのブラウザの大きさに対応できるように作っています。









当初、スマートホン用のホームページ作成は、PCのホームページと違い、すごく特別な感覚がありましたが、レスポンシブという技法と使用すると、PC用のページをスマートホン用に縮小できることを知りました。
それに乗り遅れぬよう、Web作成ソフトも今や簡単に(と、まではいきませんが)スマホのホームページが作れるように進化しています。
筆者が使用しているWeb作成ソフト。作業外面の下に画像切り替えボタンがあり、スマホ用、タブレット用でサイズを切り替えて作成することができます。これはPCサイズです。


筆者は、Webデザイナーになりたくて、長く勤めた病院職員から卒業し、Web業界に転身する予定でした。
しかし、時代はリーマンショックの最中。30台後半の未経験者が夢物語のようにWebデザイナーになれるはずもありません。
1年間失業の末、前橋日赤に採用され、鬱々している時に、「ホームページを更新してくれる人を探している」と、白馬にまたがった王子様のように目の前に現れたのが中村光伸副部長(当時)でした。
その陰に、新しいことを形にしていこうとする中野 実センター長(当時)の思想がありました。
一度は諦めた夢は、自分が思っていたのとは違う形だったけど、不思議な「縁」によって見事に叶えられ、今に至っています。

「できない理由をさがさない」
中野先生のその思想をこれからも胸に刻みながら、時代に遅れぬ行動を、これからも実行し続けたいと思います。

また、今後ドクターヘリのトップページもレスポンシブに変更する予定です。
高度救命救急センターホームページともども、よろしくお願いいたします。

最後に、群馬ドクターヘリ平成26年度最後の活動実績を更新しました。
こちらも引き続きよろしくお願いいたします。

http://www.gunma-redcross-icuqq.com/dr-heri/index.html


2015年4月11日土曜日

毎年恒例、花見会!~警察と医療の大事な交流の場~

町田です。

この業界で働き始めてかなり長くなってきましたが、どうしてもよくわからないことが時々あります。
「警察官と医師はあまり仲が良くない・・・」

これに関しては、死因やけがの原因究明という同じ目的でありながら、事故や死因となる事項が起こったその状況を究明する警察官と、患者さんが死亡したその病因を究明する病院側で、それぞれアプローチが違うことを理解しあっていないことが原因だと感じています。
お互いが一生懸命頑張っているからこそちょっとしたタイミングのずれや忙しさを理由に関係がぎくしゃくすることもあります。どちらかといえば病院側のほうが待たせることが多いのですが・・・


一つの大切な命の最期を、その背景、出来事、そして死因をお互いが協力して究明することで、その命をきちんと鎮魂できると感じています。
交通鑑識課、検視官、科捜研、法医学、救急医学の深い連携が絶対に必要不可欠です。
そこで毎年恒例で春の桜の時期に、顔の見える関係作りと『同じ目的意識を共有できる仲間』としての一体感を持つために『花見会』を開催しています。

センター長職を中野院長から引き継いだ中村先生から乾杯の発声!
ちなみに中村先生より花見のエピソードが・・・
もともと花見は平安時代貴族の遊びだあったが、江戸時代に八代将軍徳川吉宗が、物価上昇などで不満を募らせた庶民を相手に、無礼講の花見を公認したとのこと。


いつもはそれぞれの立場で仕事をしていますが、無礼講かどうかは抜きにしてもこのような場で交流を深めることは、実際に現場で一緒に働くときにスムーズな連携の大きな助けになります。
僕も警察の方の顔をだいぶ覚えていただけるようになり、昨年より緊張せずに楽しい時間となりました。また昨年特に何度もお世話になった法医学や科捜研のスタッフの方々ともいろいろなお話をすることができました。

群馬大学大学院医学系研究科 法医学教室の
小湊教授(右)と高橋先生(左)とともに。
今年も市民の皆様の安全を祈願して・・・

救急医療に関わっている限り、警察、消防、行政など様々な機関と一緒に仕事をする機会がとても多いです。各機関とも市民の安全を守る目的は同じです。仲良く仕事をするに越したことはありません!

2015年4月10日金曜日

「生と死」について学ぶ1日~新人初期研修医オリエンテーション~

町田です。

4月1日により新入職員がやってきて、2日からはそれぞれの部署でさっそく任務についています。しかしながら社会人1年目の方々は、社会人としてきちんと働くためにオリエンテーションに時間をかけて行っています。

平成27年度1年目研修医!
医師の新人といえば1年目初期研修医です。今年度は12名の初期研修医が当院に入職しました。
病院の規則から始まり、カルテの書き方、検査のみかた、診察の仕方、縫合の練習、そして多職種とのコミュニケーションなど様々なことを学んでいるところです。
そして医師になると必ず避けては通れないのが、命の灯火を守れるか消えてしまうかのギリギリの場面です。必ず患者さんの生と死と向き合う日がやってきます。その時に医師として責任のある行動、そして任務を行うことができるように、昨日は朝から夕まで救急科医師によるオリエンテーションを行いました。


午前中は中村センター長による『死亡診断と死亡診断書・死体検案書の書き方』の講習でした。
残念ながら患者さんの命の最期を迎えるときに医師がきちんと死亡診断を行わなくてはいけません。そしてご家族に患者さんをお返しする際に正確な病名を記した死亡診断書(死体検案書)が必要です。
あまりこのような場面に遭遇したくはないのですが、人の命には必ず期限があります。この仕事をしている限りは人の死とずっと付き合わなくてはいけない運命を背負っています。だからこの時期にきちんと学ぶことは大切です。

中村センター長の話に真剣な研修医たち!
人形相手とはいえ緊張の面持ちです・・・


午後は町田による『高度救命救急センターBLS&AEDコース』に参加し、患者さんの命の灯火を消さないために何よりも大切な一次救命処置を学んでいただきました。
新人とはいえ数日後には臨床現場に飛び出していきます。このような現場に遭遇した時に「新人だから・・・」は通用しないのが医師の世界です。
『いつもよりさらにヒートアップした熱血指導で、研修医の皆さんも一生懸命に胸骨圧迫やAED使用に挑んでいました。本当によく頑張っていたのでとても頼もしい存在に見えました。これから一緒に働くのが楽しみですね!

インストラクターのデモに集中です。
後ろには笑顔の中で鋭い瞳で見つめる熱い指導医が・・・
質の高い胸骨圧迫がないよりも大切!
翌日の筋肉痛は必至です。
インストラクターで集まった看護師、救急救命士とのコミュニケーションも
今後の医師人生において大切になります!

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