もう出遅れないために・・・~当院の災害モードスイッチ~

町田です。

昨日未明に福島沖で発生した地震ですが、関東地方でも数分にわたり長い時間揺れつづけました。台風に伴う降雨量が最も多い時間帯でもあったため、さらに眠れない夜を過ごした方も多かったことと思われます。
台風、地震ともに大きな人的被害はなく一安心ですが、とかくこの10月は「異常気象のせい」と一言では片づけてはいけないような異常事態です。いつでも災害対応スイッチが入れられるように備えておかなければいけませんね。


当院では昨年の関越道バス事故対応での初動の遅れがあり、ものすごい反省のも県庁、消防、警察と一体となって「災害モードスイッチ」を早く入れるための体制の見直しを行いました。

特に地震など体感できるような場合はスイッチを入れやすいのですが、交通事故などの局地災害はなかなか情報が入ってこない場合があります。
多数傷病者の発生が予想されることが起こった場合に、まず情報が早くはいってくるように警察から当院ホットラインに直接情報提供ができるルートを作りました。
特に高速道路の事故については消防より警察からの情報提供の方が早い傾向があります。
警察からの情報提供のポイントは「キーワード」です。
警察や消防などからのホットラインからの情報、自然災害などではニュース速報、インターネットまたの情報、体感した印象から多数傷病者対応や大規模災害が予想された時は、当院ではERリーダーを中心にすぐに『情報収集チーム』を立ち上げ、10分の制限時間内に「災害対策本部立ち上げ」「DMAT参集」の可否を判断します。(尚、10分たっても決められないときは自動的に災害対策本部立ち上げ、DMAT参集を行います。)
先日も高速道路で多数傷病者が発生している可能性があるバス事故があり、真っ先に警察から当院に情報提供がありました。当院はすぐに情報収集チームを立ち上げて消防本部へ問いあわせをした結果、災害対策本部立ち上げもDMAT参集は不要と判断しましたが、ドクターヘリ対応は必要と判断し消防にドクターヘリ要請を依頼しました。(あくまで消防からの要請がないとドクターヘリが出動できないところは痛いところです・・・やはり現場が混乱しているとヘリ要請が遅れる傾向にあります。)
情報収集チームの立ち上げはオーバートリアージでもOKです。
10分以内にスイッチのオン/オフを決断です!
DMAT参集は不要でも、ドクターヘリ対応が必要であれば要請を依頼です。
これらの改定に伴い、DMAT参集基準も変更してあります。またDMAT参集基準の前に当院では『情報収集チーム立ちあげ』の基準も作りました。
ポイントは2つ。①傷病者人数をあえて規定していない、
②必要だと思ったら遠慮なく立ち上げて良い、ところです!
ポイントは、死傷者数を15→10名としたところ。これは人数減らしたというよりも、
『現場からの第1報で端数では人数を言ってこない』という経験を踏まえています。
そしてさらに大切なのは、情報収集チームが「必要! 」と判断したら、
躊躇なく災害対策本部立ち上げ、DMAT参集を行えることです。
本ブログで書いた内容は、今年の日本集団災害医学会、日本臨床救急医学会で発表させていただきました。少しでも皆様の参考になれば幸いです。また何かご意見、アドバイスがありましたら、ぜひ本ブログへコメントのほどよろしくお願いします。

*尚、当ブログへコメントに関してはいちどこちらをご覧ください。
 → http://drheli-gunma.blogspot.jp/p/blog-page_21.html

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