周産期・小児医療とドクターヘリの連携。~HEM-Netシンポジウムに参加して~

町田です。

9月26日に都内で開催されたHEM-Netシンポジウムも参加しました。
今年のテーマは『ドクターヘリ運用の多様性-周産期・小児医療との連携-』でした。
周産期救急に対して産科医や小児科医をデリバリーしたり、小児重症症例数は成人に比べて圧倒的に少なく、集約化した方が成績が格段に良いなど、とても参考になることばかりでした。


群馬県でも周産期救急や小児救急でのドクターヘリ出動があります。いままでに県内外の産婦人科や小児科の先生方のご尽力で様々な研修を受けさせていただき、自分たちも現場で周産期、小児の患者さんに対して初療を行うことが出来ています。しかし、搬送先については重症妊婦・小児外傷については当院で引き続き診療するものの、重症新生児を診ていただけるNICUが違う病院にあるために、時として母親と子供が別々の病院で入院することも起こりえます。


都内の小児医療センターの先生に「集約化した方が成績が良いということを考えると、群馬県からでもドクターヘリで30~40分でたどり着く都内の小児医療センターに運んだ方が、重症患者さんの社会復帰する可能性は高いということですか?」という質問を投げかけてみました。

答えは『Yes』でもあり『No』でもありました!
確かに小児の重症症例が少ない(もちろんこれは良いことです)現在において、経験が多い施設に集約化する発想は大切かもしれません。しかし“救急科医は大人であろうと小児であろうと関係なく、キチンと初療を行えなければならない!”という言葉をいただきました。そして“群馬県内に分散している周産期、小児重症患者を診療できるリソースを統合することがまず行うべきことで、そこをつなぐものの一つとしてドクターヘリを利用してはいかがでしょうか!”というアドバイスをいただきました。

最初にも書きましたが、いつも産婦人科医や小児科医の皆さんにはドクターヘリ、ER、ICUと様々な場面で本当に助けていただいています。われわれ救急医も重症患者の診療とともに、各科をつなぐ存在となってより群馬県の周産期、小児救急医療の発展に寄与しなくいてはいけないですね。

北海道から沖縄まで全国のお世話になっている先生方にお会いすることができました。
写真左は北総ドクターヘリ研修でお世話になった金丸先生(現宮崎大学)、
写真右は県立広島病院の多田先生です(ブログでリンクしています)。
ドクターヘリはこのように人間関係もつないでくれています!

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