高校でBLS&AEDコースを開催しました!~命のリレーの第1走者~

町田です。

昨日は前橋市立前橋高等学校の1年生約240名全員を対象とした救急救命講習会、『前橋市立前橋高等学校BLS&AEDコース』を開催しました。毎年秋に同校で行っている本コースも今年で9回目を迎えました。

昨年度までの『目の前で急に人が倒れた時に救急蘇生法とAEDというものがあることを知ってもらおう。』という指導目的から、今年は『目の前でひとが倒れても君たちならできる!』というさらに突っ込んだ指導方針としました。そのような方針に対して今年は昨年度の2倍以上の84名のインストラクターが集まり、1ブース6,7人の学生に対して2名のインストラクターを配置することができました。
インストラクターは、医師、看護師、救急救命士、消防隊員、救助隊員、通信指令課員、リハビリ技師、放射線技師と職種もバラエティーに富んでおり、また所属も10病院、1施設、7消防本部、うち1病院、2消防本部は県外から集まっていただきました。また資器材の多くを日本赤十字社群馬県支部から貸し出していただきました。みなさんのご協力に心から感謝です。

コースは主にAEDとBLS(特に胸骨圧迫)の講義と実技です。出来るだけ講義は短く、そして実技の時間に各ブースでしっかり技術を学んでいただきました。
『携帯が使いこなせる君たちならAEDなんて簡単!』『君は一人じゃない、仲間を呼ぼう!』『迷わずひとすら胸を押そう!』というディレクターの講義はやや粗雑な振りでしたが、館林地区消防本部の迫真のデモンストレーションで一気に生徒の緊張が解け、引き続き各ブースでは生徒のノリに合わせてしっかり大切なところだけは逃さないようにしながら楽しい指導が展開されていました。
ダンスあり、笑いあり・・・でもBLS&AEDの大事なことが伝わったデモンストレーション!
1年前にデモ隊を命じられてから、ずっと練習し続けてきたそうです。
(来年のデモは地元前橋市消防局に決定です。)

そしてこのコースのもう一つの目的は救急に携わる職業に接していただくことです。
今回各ブースに配置したインストラクターは2名とも違う職種、所属として、生徒がより多くの職種の方と話せる機会を作りました。僕も3種類の仕事着に着替えながら講義を行ったり、実際に何人かの生徒には消防隊員の防護服や救命士のヘルメット、さらにフライトスーツを着てもらいながらコースに参加してもらいました。
このブースは、看護師と救命救急士がインストラクターでした。
誰が一番早くAEDを取りに行けるか体育館中を走っていました!
昨年度より始まった学校の先生への指導です。
生徒を守る先生にとっては大切なスキルであり、本当に真剣に取り組んでいただいていました。
ちなみに奥のブースの指導者は同校の卒業生。先生への恩返しです!

コース終了後、生徒から『本当に楽しみながら大切なことを学べ、これから目の前でひとが倒れてもできるような気がします。また自分たちでも忘れないようにいろいろな機会で勉強したいです。』という言葉をいただきました。この言葉がこのコースの目的そのものです。インストラクターからも反省会で『来年もまた参加したい!』という言葉を多くの方から頂きました。


このコースで最後に生徒に伝えたこと・・・

『どんなに救急医療が発達しても、目の前でひとが倒れて救急車が到着するまでの時間は、どうしても僕たちの手が届きません。だからそばにいる皆さんが頑張らなくてはいけません。命のリレーの第1走者こそ君たちです。君たちから引き継いだバトンは普段から救急医療に携わっている僕たちが守ります。だから勇気を出して最初の1歩を踏み出してください!』

実際にこの学校では、講習を受けた後に第1走者としてバトンをつないでくれた生徒たちがいます。
このようなコース、もっともっと広げていきたいです。

同校のあらゆるところにAEDの位置を示す案内がありました。
コースディレクターもコスプレです。
(ヘリスーツ、ER/ICUユニフォーム、DMATユニフォーム)
9回目にして初の懇親会開催。乾杯はデモで傷病者役を熱演していただいた先生です。
来年はいよいよ本コース10周年です!
 

コメント

  1. バイスタンダーの役割の重要性・・・あらためて考えるきっかけになりました。
    私自身は医療従事者ではありませんが,一般市民による救命にたいへん興味をもっております。
    日赤の救急員資格(3日間研修のもの)や消防・県教委共催の応急手当普及員資格(3日間研修のもの=消防の上級救命研修と同等のもの)を持っております。
    ・・・でも,まだまだもっと自分自身のスキルアップができたらいいなと考えているところです。

    一人でも多くの一般市民の方々に,救命のための措置を理解してもらうためにも,病院・消防等の方々ががんばってくださっていると思います。

    これからもよろしくお願いいたします。

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  2. 連続の書き込みで失礼いたします。。。

    【命のリレー・第1走者】・・・って分かりやすい表現ですね。
    救命の連鎖のスタートですからね。
    第1走者がスタートでつまずいてしまったり出遅れてしまったりしたら,後に続く走者がどんなに速く走っても・・・ですから。。。
    救命の連鎖も同様と思います。
    私たち第1走者が躊躇せずにスタートを切っていかなければならないと思います。
    パワー配分を考えずにスタートの勢いがやたら良すぎても,息切れしてしまいますから,ペース配分も大切ですね。。。

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  3. itakura先生、いつもコメントありがとうございます。
    『第1走者』という言葉はもしかしたらすごくプレッシャーかけてしまうかもしれません。でも年々救急車の到着が遅くなっているこの時代、やはり一般市民の皆さんに頑張っていただかないといけないのが現状だと思います。
    僕たち医療関係者だって職場を離れれば一般市民でやれることは限られています。しかし、胸骨圧迫とAEDで助かる命は確実にあります。そのことをもっともっと伝えていきたいと切に願っています。

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